KORGから登場した microAUDIOシリーズ は、非常に面白いオーディオインターフェースの1つです。
特に上位モデルの microAUDIO 722 には、名機「miniKORG 700S」のフィルター設計を受け継いだアナログフィルターが搭載されており、単なるオーディオインターフェースを超えた存在として注目を集めています。
この記事では、標準モデルの microAUDIO 22 と、アナログフィルター搭載の microAUDIO 722 の違いを詳しく比較し、どちらを選ぶべきかを解説します。
microAUDIO 22 と 722 の違いを一覧で比較
まずは、両モデルの主要スペックを比較してみましょう。
| 項目 | microAUDIO 22 | microAUDIO 722 |
|---|---|---|
| コンセプト | シンプルで高品位な標準モデル | アナログフィルター搭載ハイブリッド機 |
| アナログフィルター | なし | あり(miniKORG 700S設計ベース) |
| MIDI入出力 | なし | あり(3.5mm TRS端子) |
| スタンドアロン動作 | — | 可能(単体フィルターとして使用可) |
| 最大サンプリングレート | 24bit / 192kHz | 24bit / 192kHz |
| DSPエフェクト | ノイズゲート、コンプ/リミッター | ノイズゲート、コンプ/リミッター |
| 外形寸法(W×D×H) | 150 × 128 × 68 mm | 207 × 128 × 68 mm |
| 質量 | 407 g | 553 g |
| 価格(税込) | 24,750円 | 32,780円 |
基本的なオーディオ性能は共通ですが、722にはアナログフィルターとMIDI端子が追加されている のが大きな違いです。
microAUDIO 722 だけの特徴
722を選ぶ最大の理由は、クリエイティブな音作り機能にあります。
miniKORG 700S の設計を受け継いだアナログフィルター
microAUDIO 722 には、1974年発売の名機「miniKORG 700S」のフィルター設計を受け継いだアナログフィルターが搭載されています。
デジタルシミュレーションではなく、アナログ回路を通すことで、滑らかな音色変化が得られるのが特徴です。
- ローパス / ハイパス / バイパス の3モード切り替え
- CUTOFFノブ と RESONANCEノブ で直感的に操作
- フィルター対象を 外部入力 と DAW出力(USB) で切り替え可能
DAW上のソフトシンセをアナログフィルターに通して再録音する、いわゆる「リアンプ」的な使い方もスイッチ一つで対応できます。
LFO / エンベロープフォロワーによるモジュレーション
フィルターのカットオフに動きを加えるモジュレーション機能も搭載されています。
- LFO:周期的な揺らぎを与える(DAWテンポに同期可能)
- エンベロープフォロワー:入力音の強弱に追従してフィルターが動く
本体のスイッチで基本的な切り替えが可能ですが、詳細な設定は microAUDIO EDITOR ソフトウェア上で行います。
スタンドアロンでアナログフィルターとして使える
microAUDIO 722 は、PCに接続しなくても単体のアナログフィルターとして動作 します。
USB端子にDC 5VのACアダプターを接続すれば、シンセサイザーやドラムマシンの出力にフィルターをかけて使用できます。
ギターやベースを接続することも可能ですが、一般的なギターエフェクター(ワウペダルなど)とはレスポンスや音色変化の特性が異なる ため、シンセや電子楽器向けの用途がメインと考えたほうがよいでしょう。
MIDI IN / OUT を搭載
722には 3.5mm TRS仕様のMIDI入出力 が装備されています(TRS-DIN変換ケーブル付属)。
外部機器との同期や、DAWからフィルターパラメータをオートメーションすることも可能です。
両モデル共通の基本性能
下位モデルの22であっても、オーディオインターフェースとしての基本性能に妥協はありません。
スタジオグレードの音質
- 最大24bit / 192kHz のハイレゾ対応
- 低ノイズ設計 のスタジオグレードプリアンプ
- バランス入出力 を装備し、高品位なレコーディングと再生を実現
- DCカップリング出力 でCV信号の送出にも対応
DSPエフェクト内蔵
両モデルとも、ノイズゲート と コンプレッサー / リミッター をDSPで処理できます。
これらのエフェクトは microAUDIO EDITOR ソフトウェア上で設定・調整を行います。PC負荷をかけずに動作するため、配信時のノイズ対策や掛け録りに活用できます。
ループバック機能
PCの音声を配信やDAWに送れるループバック機能に対応しています。
※一部機能は 2026年2月リリース予定のファームウェアv1.01 で追加される予定です。ヘッドホン出力の独立アサインなども同様にアップデートで対応予定となっています。
豪華な付属ソフトウェア
両モデル共通で、以下のソフトウェアがバンドルされています。
- Ableton Live Lite
- Native Instruments Komplete Select
- iZotope Ozone Elements
- Filter Ark
Filter Ark について
Filter Ark は、microAUDIOシリーズにバンドルされるフィルタープラグインです。
MS-20、Polysix、miniKORG 700S、ARP ODYSSEYなどの名機フィルターを再現し、最大4基を組み合わせて使えます。LFOやステップシーケンサーなどのモジュレーション機能も充実しています。
なお、Filter Arkはあくまで DAW上で動作するソフトウェアプラグイン であり、microAUDIO 722本体のアナログフィルターとは別物です。ハードウェアのフィルターとソフトウェアのフィルター、両方を活用できるのがmicroAUDIOシリーズの魅力と言えます。
購入前に知っておきたい注意点
両モデルに共通する注意点をまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| MIDIがTRS方式(722のみ) | 一般的な5ピンDIN端子の機器と接続するには変換ケーブル(付属)が必要 |
| 電源スイッチがない | USBの抜き差しで電源を管理する必要あり |
| 付属USBケーブル | 環境によっては別途長めのケーブルを用意したほうが快適な場合も |
| 一部機能は後日アップデート | ループバック詳細設定、ヘッドホン独立アサインなどは2026年2月のv1.01で追加予定 |
結論:あなたはどちらを選ぶべき?
microAUDIO 22 がおすすめな人
✔ シンプルでコンパクトな高音質インターフェースが欲しい
✔ アナログフィルターは不要だが、DSPのコンプやゲートは活用したい
✔ 初めてのオーディオインターフェースとして信頼できる製品を探している
✔ コストを抑えつつ、豪華なバンドルソフトも欲しい
microAUDIO 722 がおすすめな人
✔ アナログフィルター特有の質感を楽曲に取り入れたい
✔ ソフトシンセやドラムマシンの音にアナログの動きを加えたい
✔ PC無しでも使えるスタンドアロンフィルターが欲しい
✔ MIDI機器と接続して拡張性を確保したい
まとめ
microAUDIO 22 は、シンプルさと高音質を両立した、初心者からプロまで使えるスタンダードモデル。
microAUDIO 722 は、miniKORG 700Sの設計を受け継いだアナログフィルターを搭載し、「音を通すだけで表情が変わる」楽器的な楽しさを持ったハイブリッドモデル。
価格差は約8,000円。アナログフィルターに興味があるなら、722を選ぶ価値は十分にあります。
逆に「シンプルに録音・再生ができればいい」という方には、22でも必要十分な性能が手に入ります。
どちらを選んでも、豪華なバンドルソフトと高品位な音質が手に入る、KORGらしい完成度の高い製品です。
製品情報
| モデル | 価格(税込) | 主な特徴 |
|---|---|---|
| microAUDIO 22 | 24,750円 | シンプル・高音質・DSP搭載 |
| microAUDIO 722 | 32,780円 | 上記 + アナログフィルター + MIDI |
公式サイト:KORG microAUDIO



